歯科衛生士の仕事
どんなことをする仕事?
イメージするとしたら「歯の看護師さん」。大まかに次の三つの業務があります。
(1)歯周疾患の予防処置
虫歯や歯周病の原因となる菌によって作られた歯石を専用の器具を使って除去します。さらに、フッ素を歯に塗って虫歯の発生・進行を防いだりするのも重要な業務。なお、こうした業務は“医療行為”であるため専門の教育を受けた歯科衛生士の資格が不可欠です。
(2)歯科保健指導
健康な歯を守るための正しい歯の磨き方などを保育園や幼稚園・小学校・老人ホーム・地域の保健センターなどへ出かけて指導し、また必要な栄養・食事などの摂り方も指導します。
(3)歯科診療の補助
歯科衛生士が行う診療の補助は、患者さんに対して、主治歯科医から委ねられた術者としての意味も含まれます。診療の補助というとアシスタントとして器具を渡したり、バキュームを行うといった作業が思い浮かびますが、歯科衛生士の能力が高くなれば補助行為の範囲と内容が豊富になります。歯科診療はチーム構成で行っているため、共同動作に必要な基本的な知識も必要とされます。
歯科助手との違いは、(1)や(2)に携わること。そこで、歯石の除去や虫歯や歯周疾患の予防のためのブラッシング指導や食生活上のアドバイスも大切な仕事です。
働く場所
(1)歯科診療所
歯科診療所は日本全国どこにでもあり勤務先として圧倒的に多く、全体の9割を占めます。
(2)病院の中の歯科
ここで言う「病院」とは、「20人以上の患者さんを入院させるための設備を有する施設」を指します。大学附属の病院や一般病院に設けられたの歯科に勤務します。また、美容整形外科で審美歯科を扱っている病院では、歯科衛生士を求人していることもあります。
(3)企業内歯科診療所
企業によっては従業員のための歯科診療所を開設しているところがあります。ここもまた歯科衛生士の働く場所です。
(4)保健センターや施設
地域における母子保健・老人保健の拠点であり、保健所が計画した事業のサービスを住民に提供するところが保健センターです。少し詳しく書きますと、乳幼児対象の歯科検診や保育園や小学校などで行う集団指導、高齢者を対象とした口腔診査などが業務の中心になります。
(5)その他
歯科衛生士を長く続け、キャリアを積むことで歯科衛生士専門学校で指導員としての道も開けてきます。
このように国家資格として認められている歯科衛生士が活躍できる場はたくさんあることがお分かりいただけたと思います。